일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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はる

春

岡本 かの子

岡本 かの子의 春(はる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,864자 · 48화면

아오조라 문고

そして、あの若い看護婦が自分を怖えさせるため、京子の眠るあの部屋から斯んな処へ追い出したのではないかと突然の憤りと困惑に陥った。

――あなたは、何処へお出でですか。

と、一たん太っちょの患者と一緒に行き過ぎた老看護婦が戻って来て、加奈子をうろんな眼で見ながら訊ねた。

――私、お庭へ行くんですの。

――違います。ここは病室側の廊下です。

広い円形の庭は、眼も醒める程、眩しく明るい。狂暴性でない監禁不用患者の散歩場だ。広い芝生に草木が単純な列を樹てて植えつけてある。今は桜ばかりが真盛りだ。

庭の真中を横断する散歩道の両端には、殊にも巨大な桜が枝を張り、それに準じて中背の桜が何十本か整列している。淡紅満開の花の盛り上る梢は、一斉に連なり合って一樹の区切りがつき難い。長く立て廻した花の層だ、層が厚い部分は自然と幽な陰をつくり、薄い部分からは余計に落花が微風につれて散っているのが眼についた。散る花びらは、直ぐ近くへも、何処とも知れぬ遠い処へも、飛び散って行くように見える。

調子はずれの軍歌を唄いながら、桜の下から顎鬚の濃い五十男が、加奈子の佇って居る庭に面した廊下の窓の方へ現われた。