후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
はる
春
岡本 かの子
岡本 かの子의 春(はる)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 23,864자 · 48화면
お民特有のべそをかくような笑いを残して加奈子の京子に対する気苦労を労いながら、勝手の方へ立って行ったあとで、加奈子は此の間中から幾度も繰り返したように、京子の手紙の宛名に就いて考えて見た。秀雄、秀雄、そんな名前は京子の情事関係で別れた男の中には一人も無かった。
加奈子はいつか、或る人から人間の潜在意識に就いて聞いたことがあった。過去に於ける思いがけない記憶までが微細に人間の潜在意識界へは喰い入っている。時として、それは一人の人間の現在、未来に重大に働きかけ、また、一時の波浪の如くにも起って消えるということだった。加奈子は、京子の過去のまるで違った方面に秀雄という名を探し考えて見たが判らなかった。大方加奈子とは知り合わない昔の小学校時代の隣の息子か、京子がM伯と結婚時代の邸内にいたという殊勝だった書生の名ででもあったろうか。それとも全然仮想の名か。手紙は五つの封筒に七つばかり、二つかためて一つ封筒に入れたのもあった。殆ど支離滅裂な語句の連続ではあるけれど、それでも京子の悲哀や美感や、リリシズムが何処か一貫して受け取れるようで、不思議な実感と魅力に触れる。