후리가나로 읽는 일본 고전
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はるいくたび
春いくたび
山本 周五郎
山本 周五郎의 春いくたび(はるいくたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,094자 · 142화면
」
そういって五郎吉は側を離れた。
道を越して断崖のほうへ行くと、谷へ降りるあるかなきかの小道がある、五郎吉はまるで猿のように身軽く、その小道を伝っておゆき茶屋の裏手へと急いだ。――茶屋の裏はすぐ断崖で、その水汲道はちょうどその厨の前へ出る、五郎吉がようすをうかがうと、ぶうんぶうんという糸車の静かなうなりのなかに、おゆきの手毬唄がきこえていた。
「……おゆきさん、――おゆきさん」
五郎吉は声をしのばせて呼んだ。
「五郎だよ、おゆきさん」
声がきこえたのか、唄がやんで厨へ出て来る娘の気配がした。――音もなく明ける雨戸、五郎吉は待ちかねてとびこむと、
「おゆきさん大へんだ、表であやしいやつが」
「静かになさい」
おゆきは急いでさえぎりながら、
「それよりあたし五郎さんの帰りを待っていたのよ、馬はどうして? 見張の人たちに気づかれやしなかった?」
「大丈夫だ」五郎吉は大きくうなずいて、
「へんなやつがいるもんだから馬をつないどいて先にようすを見たのさ、そうするとこの家をねらっていることがわかったから、裏道を伝って知らせに来たんだ。馬は大曲りの杉につないであるよ」
「ありがとう、よくそうしてくれたわね五郎さん、あたしあなたの馬を借りようと思って待っていたの、これで大切なお約束をはたすことができるわ」