후리가나로 읽는 일본 고전
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はるいくたび
春いくたび
山本 周五郎
山本 周五郎의 春いくたび(はるいくたび)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 70,094자 · 142화면
……その青年の家は村の古い郷士の末であった。
「……知っています」
青年は訪ねて来た香苗を、横庭の池の方へ導きながら語った。
「清水信之助とは伏見の戦争で同じ隊にいました。彼は勇敢な男で、命知らずという名を取っていました。……そうです。私は彼と一緒に寝ました。同郷だということを知ってからはいつも同じ蓆で眠り、同じ鍋から菜粥を啜りました。二年のあいだそういう風に戦っていましたが、……私がこの右足を失った日に」
彼はそう云いながら、添木を当てた右の太腿を見やった、それは膝の上から切断されていた。
「その日に、……あの方は?」
「清水と私とは別れ別れになりました、それ以来、私は彼を見ないでしまいました。……集中して来た砲弾が私たちの小隊を全滅させたのです。生残ったのは、……片足を失った私と他に、人夫が二人だけでした」
「ではあの方は、あの方は……信之助さまは」
「私は二度と彼を見ませんでした」
青年は遠くの空を見やって咳をした。それから、苦しそうに松葉杖を突いて、頭を振りながら池の畔を廻って立去った。
香苗は家に帰って来た。……そして自分が少しも泣けないのに気付いて驚いた。