후리가나로 읽는 일본 고전
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ほんじょまつざかちょう
本所松坂町
尾崎 士郎
尾崎 士郎의 本所松坂町(ほんじょまつざかちょう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 27,622자 · 55화면
家康も父の恩に酬いたい気持に唆られたものらしい。天正七年正月、鷹狩に名を託して瀬戸村へやってきた。家忠日記によると、彼は俊継尼を伯母としての礼をもって対面し、その日の引出物に瀬戸全村二百戸の知行をおくった上に、
「義定の将来は必ず某がおひきうけ申した、わが父広忠のうけた御恩は夢にも忘れたことはござらぬ――成人したら岡崎へ来られるがよい」
と、くりかえし言い残して帰っていったという。暗澹たる吉良一族の前途は明るい輝きにみちみちてきた。
もし、義定が家康の知遇に応じ得る才幹にめぐまれた男であったとしたら、この好運をとり逃すようなことはなかったであろう。家康は青年義定のために彼の一家を再興するための、はなやかな機会をねらっていた。
時代は次第に熟してくる。豊臣の天下が来ると家康は内大臣になり、二百万石の大大名になった。義定にしてみれば、父祖の家名どころか、名誉も権勢も手に唾してとるべしである。しかし、運はついに人によって決する。家康がいかに彼のために絶好のチャンスを選ぶために苦心したところで、所詮、槍ひと筋につながる戦場の功績なしには義定を一挙に五万石、十万石の大名にとりたてるというわけにはゆかぬ。