후리가나로 읽는 일본 고전
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とうじょうき
東上記
寺田 寅彦
寺田 寅彦의 東上記(とうじょうき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 8,356자 · 17화면
ラムネを取りにやりたれど夜中にて無し、氷も梨も同様なりとの事なり。退屈さの茶を啜れば胸ふくれて心地よからず。とかくするうち東の空白み渡りて茜の一抹と共に星の光まばらになり、軒下に車の音しげくなり、時計を見れば既に五時半なり。急いで朝飯かき込み岡崎氏と停車場に馳けつくれば用捨気もなき汽車進行を始めて吐き出す煙の音乗り遅れし吾等を嘲るがごとし。珍しき事にもあらねど忌々しきものなり。先ず荷物を預けんとて二人のを一緒に衡らす。運賃弐円とは馬鹿々々しけれど致し方もなし。楠公へでも行くべしとて出立たんとせしがまてしばし余は名古屋にて一泊すれども岡崎氏は直行なれば手荷物はやはり別にすべしとて再び切符の切り換えを求む。駅員の不機嫌顔甚だしきも官線はやはり官線だけの権力とか云うものあるべしと、かしこみて願い奉りようよう切符を頂戴して立ちいずれば吹き上ぐる朝嵐に藁帽飛んでぬかるみを走る事数間、ようやく追い付きて取止めたれど泥にまみれてあまり立派ならぬ帽の更に見ばえを落したる重ね/\の失敗なり。旅なればこれも腹は立たず。元町を線路に沿うて行く。道傍の氷店に入ってラムネ一瓶に夜来の渇望も満たしたればこゝに小荷物を預けて楠公祠まで行きたり。