후리가나로 읽는 일본 고전
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とうきょうぶんだんにあたう
東京文壇に与う
織田 作之助
織田 作之助의 東京文壇に与う(とうきょうぶんだんにあたう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,615자 · 7화면
豪放かつ不逞な棋風と、不死身にしてかつあくまで不敵な面だましいを日頃もっていた神田八段であったが、こんどの名人位挑戦試合では、折柄大患後の衰弱はげしく、紙のように蒼白な顔色で、薬瓶を携えて盤にのぞむといった状態では、すでに勝負も決したといってもよく、果して無惨な敗北を喫した。試合中、盤の上で薄弱な咳をしていたということである。
この神田八段は大阪のピカ一棋師であるが、かつてしみじみ述懐して、――もし、自分が名人位挑戦者になれば、いや、挑戦者になりそうな形勢が見えれば、名人位を大阪にもって行かせるなと、全東京方棋師は協力し、全智を集注して自分に向って来るだろうと、言ったということである。私はこれをきき、そしていま、単身よく障碍を切り抜けて、折角名人位挑戦者になりながら、病身ゆえに惨敗した神田八段の胸中を想って、暗然とした。
東京の大阪に対する反感はかくの如きものであるか。しかし、私はこれはあくまで将棋界のみのこととして考えたい。すくなくとも文壇ではこのようなことはあるまいと、考えたい。文学の世界で、このようなことが起るとは、想像も出来ないではないか。