후리가나로 읽는 일본 고전
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まつかぜのもん
松風の門
山本 周五郎
山本 周五郎의 松風の門(まつかぜのもん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 12,862자 · 26화면
と二人だけで庭へ出ていった。
朽木大学は宗利の傅で、もう五十九歳になり、宗利が去年家督すると共に参政となった。非常に口数の寡い小柄な老人で、宗利とは影の形に添う如く、いつも側去らず侍しているのだが、平常はほとんどいるかいないか分らぬという風の人柄であった。しかし傅としての彼がどんなに厳格であるか、事に対していかに身命を賭して掛るかということを宗利はよく知っていた。
二の曲輪まで来たとき、ふと宗利は見覚えのある草原の前で立止った。
「此処はあの時分よく跳ねまわって遊んだ処だな」
「お上がお眼を傷つけなされた場所でございます」
「そうだった」
今は視力を失った右の眼を押えながら、ふと宗利は遠い空をふり仰いだ。――誰も知らないことだ。彼が十歳の秋であった。その時分お相手として殿中に召出された少年たちの中に、郡奉行の子で池藤小次郎というのがいた。宗利より一つ年下であったが、神童と云われた俊才で、学問にも武芸にもずばぬけた能力を持ち、ほとんど一家中の注目の的になっていた。
宗利は正直にいうと小次郎を嫉んだ、領主の子としての自分よりも、遙に多く人々の尊敬と嘆賞を集めている彼が憎かった。