후리가나로 읽는 일본 고전
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あんないにんふうけい
案内人風景
黒部 溯郎
黒部 溯郎의 案内人風景(あんないにんふうけい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 3,905자 · 8화면
いよいよ登高の第一日が始まる。草いきれのする裾野路。淙々たる渓流の響。闊葉樹林。駒鳥の声。雪渓。偃松。高山植物を点綴した草野。そして辿り着いた尾根上の展望。三人はここにルックを投げだして暫く楽しい憩いを続けるであろう。
目近かく仰ぎ上げる頂上を掠めて、白い雲が飛んでは碧空に吸われるように消える。岩燕が鏑矢のような音たてて翔び交う。
彼氏は徐ろにポケットから取り出したダンヒルのパイプに、クレーブンミクスチュアをつめる。彼女は、汗ばんだ鼻をコンパクトの鏡に写し了えてから、チョコレートの銀紙をむきはじめる。彼女の投げ出した靴の先の所には岩桔梗が可憐に震えていた。案内者は大きなめんつを拡げて、柘楠の枝で作った太い箸で今朝から第何回目かの食事を初めた。
真夏の太陽に照らされながらも、山上の空気は和やかに、彼氏と、彼女と、彼の三人を包んだ。野性と、モダニズムと。食慾と、恋愛と。一切は融け合ってしまった。宥に朗らかな風景である。
彼女は、彼の偉大な食慾を讃嘆しつつ眺めていた。
「あんた! これ食べない?」
彼は慌てて、今噛りかけていたベビーゴルフのボールほど大きい梅漬を、めんつの中へ投げ込んで、股引でちょっとこすった手を彼の女の前へ差し出した。