일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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くわのきものがたり

桑の木物語

山本 周五郎

山本 周五郎의 桑の木物語(くわのきものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 39,815자 · 79화면

아오조라 문고

――玄庵先生、うちの悠坊が。

こう悲鳴をあげて駆けこんだとき、どういう拍子か悠二郎がくしゃみをして、そうして、ぎゃあと泣きだした。――そのくしゃみで片方の穴からたねがとびだしたのである。もちろん残った一つは玄庵さんが出して呉れた。玄庵さんもこれには呆れてものが云えないと云ったそうだ。

自分では全く覚えがないし、ほかにもずいぶんわる悪戯をしているが、さすがの悠二郎もこの話にだけはてれた。「気取ったってだめですよ、なにしろ鼻の穴へ梅干のたねなんだから」

こう云われると絶対に頭があがらないのであった。

祖父の虚木老はその後もずっと舟仙へあらわれた。ほぼ十日にいちどぐらいの割だろう、舟仙へやって来ると、二階で芸人たちを呼んで賑やかに騒いだり、舟で吉原とか深川などの遊里へでかけたりした。――それでいつかおつねが女の子を生んだとき、老は頼まれて名づけ親になったくらいである。そのとき悠二郎は四つになっていたが、おみつと名づけられたその子を珍しがって、抱こうとしたり鼻を摘んだり、口や耳へ指を入れたりするので、少しのまもゆだんができなかったそうである。

祖父がしばしば来るのは、ひとつには孫のようすを見るつもりもあったらしい。