후리가나로 읽는 일본 고전
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さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
島崎 藤村의 桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 111,569자 · 222화면
この校長の精確な語学の知識は捨吉の心を悦ばせた。休みの時間毎に出て見ると、校堂を囲繞く草地の上には秋らしい日が映って来ている。足を投出す生徒がある。昼間鳴く虫の声も聞えて来る。捨吉はペンキ塗の校堂の横手に凭れて、遠く郷里の方へ帰って行ったお母さんの旅を想像した。
次第に捨吉は自分の位置を知り得るようにも成って行った。彼がこの学校に入れられたのは、行く行くは亜米利加へ渡り針の製造を研究するためで。そして大勝の養子として、あの針問屋の店に坐らせられるためで。田辺の小父さんは直接に捨吉に向って何事もそんなことを匂わせもしなかったが、それが小父さんの真の意思であり、大勝の主人の希望でもあるということを、捨吉は大川端の兄から聞いて初めて知った。
「捨吉は捨吉で、やらせることにしたい。いかに大将の希望でも、そればかりは御断りしたい」
これがその時の兄の挨拶だったということで。
「今日まで一度も俺は田辺と喧嘩したことが無い。その時ばかりは、俺も争った。大勝の養子にお前を世話するという説には、絶対に反対した」
万事に淡泊なことを日頃の主義とする兄は、これも拠所ないという風にその話をして、猶田辺へは最近に何百円とかの金の手に入ったのを用立てた、長年弟の世話に成った礼としてそれとなくその金を贈った、最早物質的にさ程の迷惑を掛け