후리가나로 읽는 일본 고전
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つちのなかからのはなし
桜の森の満開の下
坂口 安吾의 桜の森の満開の下(つちのなかからのはなし)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 76,558자 · 153화면
一般に野心家というものはわが子の一人や二人犠牲にしても野心のためには平然たるもののように見えるけれども、案外野心家には肉親的な感情の強い人が多いもので、祖先とか家というものと同化した動物のような保守家の方が却って肉親的に不感症で、家のためには子供の一人や二人煮られようと焼かれようとと本能的なつめたさを持っているものなのである。家名のためだなどと云って我が子を冷酷に追いだしたり、中には肺病の子供を家名のために早く死んでくれと願ったりする、そういう冷酷な特異性がもはや特に鋭く訴えてこないほど我々の身近には家名の虫のつめたさが横溢しているのだ。その御当人が自分のつめたさに気附かずに、甘ったるい家庭小説か何かに涙を流しているのだから笑わせる。人は涙というものを何かマジメに考えがちだが、笑いの裏と表にすぎないので、笑いが単なる風とその音にすぎなければ、涙などは愚かしい水にすぎない。妙に深刻に思われるだけむしろバカげたものである。
家康も保守家であった。そして彼は子供だの孫だのの二人三人はどうなろうと平気の平左の人であった。律義者で、温和な考えの人だ。そして、自分に致命傷の危険がなければ人が何をしようと、どんなに威張ろうと、朝鮮へ遠征しようと、親類の小田原を亡ぼそうと、我関せずでいる人だ。