후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 112,073자 · 223화면
「なんのために」
「いまは、原田さんの、ためにです」
甲斐は首を振った、「私には用もないことだ」
「本当にですか」
「用件はそれだけか」
「原田さん」と六郎兵衛は膝をすすめた、「一ノ関はべつだが、酒井侯は貴方の本心をみぬいていますぞ、貴方が一ノ関の与党になったのは、謀計を内部からあばくためだ、原田甲斐は看視しなければならぬと、飽くまで主張しているそうですぞ」
甲斐は微笑した。すると頬に深い竪皺がより、唇の間から僅かに歯が見えた。
「謀計、野心、通謀」と甲斐は穏やかに云った、「厩橋侯と一ノ関とが、なにをどう通謀しているか、私は知らないが、ことのついでにそこもとの謀計も聞こうではないか」
「私の謀計ですって」
甲斐は「さよう」と云った。
「それは、どういう意味です」
「宮本新八、畑姉弟、これらを使ってなにを企んでいるか、ということだ」
六郎兵衛は笑った。貝殻でも触れあうような、しらじらしく乾いた笑いである。甲斐は静かな眼で、黙って襖のほうを見ていた。
六郎兵衛は「失礼」といって笑いやんだ、「どうぞ立腹なさらないで下さい、私は自分のことを笑ったのです」
甲斐はなにも云わなかった。