후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 148,519자 · 296화면
「私が辞職する代りに、船岡が国老になってくれるか」
「もうその噂が出ている」と甲斐は苦笑した。
「噂が出ているって」
「米谷から今日そのことを云われて、殆んど面目を失ったかたちだった」
「どういう意味だ」
周防はまた袖で押えながら咳をした。それがしずまるのを待って甲斐は云った。
「一ノ関のしり押しで、近いうち国老になるそうではないか、と云われた」
周防は「ほう」といった。
「私は初めて聞くし、思いもよらぬことだと云った、すると米谷が、自分は意外とは思わぬし、涌谷さまも意外とは思っておられぬようだ、と云った」
甲斐は静かな眼で周防を見た。周防はそっと頷いた。
「――涌谷さまか」
「ほかにはあるまい」と甲斐も頷いた、「米谷は口のかたい篤実な人だ、世間の噂やかげぐちなどに乗せられる人ではない、しかし、涌谷さまから聞かされたとすれば信ずるだろう」
周防は「うん」といった。
「涌谷さまはみごとに人を選んだ、柴田どのはまったく信じていたようだ」
「そうか」と周防が低い声で云った、「では船岡にも、敵ができたわけだな」
「七十郎は一ノ矢だと云った」
「彼もいたのか」
「朝粥の会に招いたのだ」