후리가나로 읽는 일본 고전
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もみノきはのこった
樅ノ木は残った
山本 周五郎
山本 周五郎의 樅ノ木は残った(もみノきはのこった)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 148,519자 · 296화면
といって廊下へ出た。
「どうぞお大事に」と宇乃が云った。
甲斐は振返らずに出ていった。
良源院を出た甲斐は、そこからすぐに、後見の伊達兵部邸を訪ね、さらに田村右京から、茂庭周防の留守宅、片倉小十郎、柴田外記とまわって、それぞれに帰国の挨拶をした。桜田邸の自宅へ帰ったのは午後おそくで、家の中はまだ混雑していた。
その夜、うちわだけで別宴が催され、下男下婢たちにも酒肴が出された。伊東七十郎は甲斐とは逆に上方へゆくそうで、さかんに飲んで毒舌をふるった。上方へゆく目的は、熊沢蕃山の門を敲くためだという。蕃山といっても経学をきくためではない、笛をまなびたいのだ、などと気焔をあげた。甲斐は頭を振って「七十郎にこれ以上も吹かれては堪らない」と云い、みんな声をあげて笑った。
明くる朝、――御殿へあがって、幼君に帰国のいとまを乞い、それから戻って江戸に残る家従たちと簡単に別れの盃を交わしてから、船岡へと出発した。
雪はまだ降りつづいていた。