후리가나로 읽는 일본 고전
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かっこんとう
橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇
橘 外男
橘 外男의 橘外男ワンダーランド ユーモア小説篇(かっこんとう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 16,213자 · 34화면
松虫鈴虫が、虫屋の店で、夏の夜の景物詩を奏でて、浴衣の袖を翻した夜の散歩の男女で、通りは埋まっている。死の一歩手前まで、逐い詰められたような私の気持とは、およそ、似ても似つかぬ長閑さであった。狐につままれたような顔をして、家へ辿りついて、
「どうだい? 夕立ちは、酷かったろう?」
と聞くと、いいえと妻は、怪訝そうな顔をしてる。
「蒸し暑くて蒸し暑くて、……今日は、一雨来るかと思って、せっかく楽しみにしてたのに、どっかへ夕立ちが逃げてしまって到頭、一雨も降らずじまいよ」
と、きた時には、私はううん! と、へたばってしまって、玄関に腰を降ろしたまま、しばらくは口もきけなかった。夕飯も食わずに、へとへとになって、夕立ちの来る方来る方と、東京中逃げ廻ったバカ野郎はどこのどいつだと、自分を罵りつけてくれたいような気がした。
夏は雷から逃避行
今度の戦争へはいる、五、六年前のことであった。その時分は私も、日本橋に、小さなオフィスを構え、どうやら貿易屋で、飯が食えていた頃であったから、せめて自分の家だけは、一番雷の鳴らぬところへ建ててそこから東京へ通勤しようと考えた。