후리가나로 읽는 일본 고전
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はるはばしゃにのって
機械・春は馬車に乗って
横光 利一
横光 利一의 機械・春は馬車に乗って(はるはばしゃにのって)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 77,492자 · 156화면
それも、梶はいつの間にか今そこに自分がいるのだった。梶は西洋を廻ってみて、世界の内容はどこも変らず損得の理念に左右されていることをますます明瞭(めいりょう)に感じていたときしも、ここだけは不思議と好き嫌(きら)いで動いている部面が表情にも顕れていて、寝ているときのこうした背中の痛みさえ、そんな気の弛(ゆる)みも手伝っているのかもしれないと思ったりした。しかし、ここは通って来た道すじを考えただけでもあまりに遠ざかった感じだった。実にはるかな遠くに日本が見えて寂しかった。
夕食まで彼はひと眠りしたいと思っているとき、ノックの音がした。梶はホテルの者だろうと思って黙っていると、肥満した赧顔(あからがお)の男が一人勝手に這入(はい)って来た。片手に自分の帽子を持ってにこにこしながら傍まで来てから、男はサーカスの使い手のように両手を大きく翼形に開き、片膝(かたひざ)をつく姿勢で最敬礼を一度した。見たところ、大学の教授のような品威のある堂堂とした紳士である。梶も怪しみを感じなかったが、疲労の折のこととて半身を起すのも物うく、見ているままの容子(ようす)であった。