후리가나로 읽는 일본 고전
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れもん
檸檬・ある心の風景 他二十編
梶井 基次郎의 檸檬・ある心の風景 他二十編(れもん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 127,934자 · 263화면
あの路を通っている人を見るとつい私はそんなことを考えるんです。あれは通る人の運命を暴露して見せる路だ」
背負い枠の娘はもうその路をあるききって、葉の落ち尽した胡桃の枝のなかを歩いていた。
「ご覧なさい。人がいなくなるとあの路はどれくらいの大きさに見えて人が通っていたかもわからなくなるでしょう。あんなふうにしてあの路は人を待ってるんだ」
私は不思議な情熱が私の胸を圧して来るのを感じながら、凝っとその路に見入っていた。父の妻、私の娘、美しい母、紫色の着物をきた人。苦しい種々の表象が私の心のなかを紛乱して通った。突然、私は母に向かって言った。
「あの路へ歩いてゆきましょう。あの路へ歩いて出ましょう。私達はどんなに見えるでしょう」
「ええ、歩いてゆきましょう」華やかに母は言った。「でも私達がどんなにちいさく見えるかというのは誰が見るの」
腹立たしくなって私は声を荒らげた。
「ああ、そんなことはどうだっていいんです」
そして私達は街道のそこから溪の方へおりる電光形の路へ歩を移したのであったが、なんという無様な! さきの路へゆこうとする意志は、私にはもうなくなってしまっていた。