후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 178,724자 · 355화면
敵の中の最も大きな敵を選んでそれと戦うことだ。ちょうど昔の武士が雑兵を相手とせず、まっしぐらに敵の大将に近づいて、一騎打の勝負をいどんだように。ではどこに怒りの焦点を定めるのか。誰を最も大きな敵として選ぶのか。それは、むろん、俊三であってはならない。また、むろん、僕を白眼視し冷笑している多くの生徒たちであってもならない。彼らが僕に対してどんなひどい侮辱を加えようとも、それは所詮不正の泡でしかないからだ。不正の根元はべつにある。僕が僕の最大の敵として僕の怒りを集中するのは、その根元に向かってでなければならないのだ。
ではその根元は? それは、いうまでもなく、僕たちから朝倉先生を奪った権力だ。僕は僕の最大の敵をこの権力に見出す。僕は或は一生を通じてこの敵と戦わなければならないかも知れない。なぜなら、この権力は僕たちの学園において不正を仂いただけでなく、日本の民族に対して不正を仂き、そして将来も永く仂こうとしているからだ。
だが、僕にはもう一つ選ばなければならない怒りの焦点がある。それは前者ほど大きな、そして永久な敵ではないかも知れない。しかし、僕の現在の生活にとっては、決して単なる不正の泡として見すごすことの出来ない敵である。