후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
「おっしゃるとおりです。」
と、朝倉先生はしごくまじめにうけた。しかしすぐまた冗談まじりに、
「ただ塾生たちには、おかしら付きの鯛というものが妙に印象に残るらしいので、ついそれに私たちが誘惑されてしまうのです。それも教育の一手段だという口実もありましてね。はっはっはっ。」
「甘いですな。」
と、荒田老が横からにがりきって言った。
まわりの来賓たちが、それで一せいに笑い声をたてたが、それがその場の空気をまぎらすための作り笑いだったことは明らかだった。
「塾長はそうした甘いところもありますが、根は辛い人間ですよ。実は辛すぎるほど辛いんです。甘いところを見せるのは辛すぎるからだともいえるんです。油断はなりません。」
田沼先生がそう言って笑った。それでまた来賓たちも笑ったが、今度は救われたといったような笑い方であった。平木中佐と鈴田とは変に頬をこわばらせていた。荒田老は相変わらず無表情だったが、無表情のまま、
「田沼さんは、やはり逃げるのがうまい。まるで鰻のようですな。」
もう一度笑いが爆発した。しかしだれの笑い声も、いかにも苦しそうだった。
「荒田さんにあっちゃあ、かないませんな。