후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
かれは、この言葉を思いおこすことによって、これまでいくたびとなく、かれの幼時からの性癖である激情をおさえ、向こう見ずの行動に出る危険をまぬがれることができたし、また、かれが日常の瑣事に注意を払い、その一つ一つに何等かの意味を見出そうと努力するようになったのも、主としてこの言葉の影響だったのである。それだけに、かれは、朝倉先生が、なぜそのことをいって荒田老を説き伏せようとしないのだろうと、それが不思議にも、もどかしくも思えてならないのだった。
塾生たちは、もうそのころには、とうに食事を終わっていた。来賓もほとんど全部箸をおろしており、まだすんでいないのは、目が不自由なうえに、何かと議論を吹きかけていた荒田老と、その相手になっていた朝倉先生ぐらいなものであった。しかし、この二人も、話をやめると間もなく箸をおろした。
来賓たちは、畳敷きの広間のガラス窓いっぱいに、あたたかい陽がさしこんでいるのが気に入ったらしく、食事がすんで塾生たちが退散したあとでも、窓ぎわに集まって、たばこを吸い、雑談をまじえた。そのうちに荒田老に付き添っていた鈴田が、平木中佐と何かしめしあわせたあと、朝倉先生の近くによって来てたずねた。