후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
注目されていた飯島は、徹頭徹尾演説口調で、村を語り、郡を語り、県を語ったが、話の内容は、とかく政治勢力の問題にふれ、地についたところがほとんどなかった。田川は白鉢巻をして勇壮活発な剣舞をやった。青山は民謡をうたったが、その声は美しくさびて、おちついていた。大河は、飯島とはちがった意味で、やはり注目されていた一人だったが、自分の順番が来ると、くそまじめな顔をして、のそのそと窓のほうに行き、そこの柱にしがみついた。そして、
「ぼくの村には、夏になると、こんな声を出して鳴く蝉が、たくさんいます。――みいん――みいん――みいん――」
と、蝉の鳴き声をたて、その声にあわせて、ぶるぶるとからだをふるわせた。声だけは、いかにも蝉らしかったが、からだのほうは、まるで小牛が身ぶるいしているような格好だった。みんな腹をかかえて笑った。その笑い声の中を、大河は、相変わらず、くそまじめな顔をして自分の席にもどり、とぼけたようにあたりを見まわした。それでもう一度笑いが爆発した。
この席には、炊事夫の並木夫婦や、給仕の河瀬も加わっていて、みんなそれぞれに何か一芸をやった。最後に、次郎と朝倉先生夫妻の三人だけが残されていた。