후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
しかし、そうした不安の中にあった塾生たちも、二十九日夕方から三月一日にかけての諸報道によって、どうなりいちおうの落ちつきを見せた。叛乱兵は、一二の下士官をのぞき、二十九日の午後それぞれ原隊に復帰し、首謀者将校のうち数名は自決、その他は検束されて、ともかくも事件はいちおう終わったのである。
事変中、塾堂の諸行事の運営が、時間的にも内容的にも、目だつほどの狂いを見せたことは、幸いにして一度もなかったが、気分の波が常にそれに作用していたことは、さすがに見のがせないものがあった。しかし、その波も事変がすぎてみると、たいしてながくあとをひくというほどではなかった。月があらたまるとともに、むしろ台風一過の感さえあった。事変後の国内諸状勢の深刻さは、まだ多くの塾生たちの関心のそとにあったのである。
田川大作は意気銷沈の姿であり、何事についてもほとんど発言しなくなっていた。飯島好造は相変わらず多弁で、とかく話題を政治に向けがちだったが、その興味の中心は後継内閣の顔ぶれといったことにあるらしかった。またしばしば叛乱将校の個人に関する噂話などを、何かにつけやりだしたり、口ぎたなくかれらの罪状に追い討ちをかけたりして、心ある塾生たちの反感を買った。