후리가나로 읽는 일본 고전
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じろうものがたり
次郎物語
下村 湖人
下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면
入塾志願取り消しの電報は、その間にもさらに幾通かとどいたが、次郎はもうそれを大して気にはしなかった。むしろそれよりも、旅行前夜まで取り消しの通知が来なかった幾人かの志願者に対して、こちらから、事情により当分休塾するという意味の、きわめて事務的な通知を発送しなければならなくなったことが、かれの気持ちを割りきれないものにしていたのだった。
いよいよ旅行の日が来た。全員――といっても朝倉夫人だけはいつも留守番役だった――が門を出たのは、まだ夜が明けはなれないころだった。旅行中のいろんな役割は万遍なく塾生全部にふりわけられていた。出発から帰塾まで、全く役割なしですませる塾生は一人もなかった。きまった役割のないのは、朝倉先生と次郎だけだったが、この二人には、到着した先で自然に何かの役割が生じて来るはずだったのである。
最初の目的地は、静岡県のH村だった。この村にはKという友愛塾の第一回の修了生がいて、村生活に大きな役割を果たしているということが、すでに早くからたしかめられていた。朝倉先生としても、次郎としても、ぜひ一度はたずねてみたい村だったのである。
みんなは、H村につくと、まず小学校の一室に招ぜられた。