일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

下村 湖人의 次郎物語(じろうものがたり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 200,443자 · 398화면

아오조라 문고

次郎はそのうしろに位置して、式の進行係をつとめていたが、かれの視線は、ともすると平木中佐の横顔にひきつけられがちだった。かれの眼にうつった中佐の顔には、多くの隊付き将校に見られるような素朴さが少しもなかった。その青白い皮膚の色と、つめたい、鋭い眼の光とは、むしろ神経質な知識人を思わせ、また一方では、勝ち気で、ねばっこい、残忍な実務家を思わせた。次郎は、中佐の横顔を何度かのぞいているうちに、子供のころ、話の本で見たことのある、ギリシア神話のメデューサの顔を連想していた。

中佐の眼は、理事長と塾長とが式辞をのべている間、塾生のひとりびとりの表情を、注意ぶかく見まもっているかのようであった。式辞の趣旨は、二人とも、いつもとほとんど変りがなかった。ただ理事長は、つぎのような意味のことを、特に強張した。

「国民の任務には、恒久的任務と時局的任務とがある。このうち、時局的任務は、時局そのものが、あらゆる機会に、あらゆる機関を通じて、声高く国民にそれを説いてくれるので、なに人もそれに無関心であることができない。ところが、恒久的任務のほうは、時局が緊迫すればするほど、とかく忘れられがちであり、現に今日のような時代では、何が真に恒久的任務であるかさえわかっていない国民が非常に多い。