후리가나로 읽는 일본 고전
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のこされたるえど
残されたる江戸
柴田 流星
柴田 流星의 残されたる江戸(のこされたるえど)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 41,677자 · 80화면
聞けば、誰も吾が家の軒端にとその一つを掲げて愛らしき夏の音楽に不断の耳を楽しまそうとは思い立つことどもだ。
さるからにこの風鈴一つ値いを払うて軒端につるせば、また一つそこに欲しきもの出で来て、夕べの縁日に釣忍たずぬるはこれも江戸ッ児のお約束ごととでもいおうか。
永き日の読書にも倦んじて、話すべき友も傍にはおらず、かかるとき肱を枕にコロリとなれば、軒の風鈴に緑を吹き来る風の音喧からず、そのチリチリに誘われてツイ華胥の国に遊び去る、周荘が胡蝶の夢も殊の外に安らかで、醒めぎわの現なしにも愛らしき音は何の妨げともならぬぞ嬉しい。
かくてぞ漸くに暮れ行く空の、コバルトの色黯みて、やがて暗く、かは誰の人顔も定かならぬ折柄、椽近く座を占めて仰ぐ軒端に、さり気ない釣忍の振舞いもなかなかに悪からず、眺め深いものだ。
「なぜ風鈴の一つも下げないのだな」
もしくは――
「ここの処へ忍でも釣るしたらなァ」
これらの言葉が江戸ッ児によって繰返さるることは、強ち稀らしくないことで、かれらはお世辞でも、いきあたりばったりでもなく、そう感じてそういうのだ。
井戸がえ
山の手の井戸は一体に底も深く、したがって湧出る水も清冽だ。