후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
次郎左衛門に逢うのも怖ろしかった。彼は廓の使いに対しても、なんとか、かとかいい加減の作り口上をならべて、努めて女に近寄らない手段を講じていた。実はきのうも八橋から呼び出しの手紙が来て、いろいろの恨みつらみや愚痴が長々と書いてあった。そうして、この頃は次郎左衛門がちっとも影を見せないというようなことも書き添えてあった。それでも栄之丞はまだ釣り出されようとは思っていなかった。
「兄さま、吉原では桜がもう咲いたそうでございますね」と、お光は言い出した。八橋さんからたよりがあったかなどとも訊いた。
兄の返事がなんだかあいまいなので、お光は少し疑うような眼色を見せた。
「この頃もやっぱり八橋さんのところへお出でにならないのですか」
「むむ。行こうとは思っているが……。行ってもおもしろくないから」
「面白づくばかりでなく、時どきは行ってあげて下さい。このあいだの手紙にも、兄さまを是非よこしてくれとくれぐれも書いてございました。このお正月のこともみんな八橋さんのお庇で無事に済んだのでございます。どうかしてお礼をしたいと思っておりますけれども、今のわたくしの力ではどうにもなりません。