후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
初めはまっすぐに帰る心づもりであったが、この話を聞いたお時は今にも藤枝のお家が亡びるようにも感じられたので、彼女は番町の屋敷を出ると、さらに市ヶ谷までとぼとぼと辿って行った。
叔父の吉田の屋敷は市ヶ谷にあった。彼は三百五十石で、藤枝にくらべると小身ではあるが、先代の外記の肉身の弟で、いまの外記が番入りをするまでは後見人として支配頭にも届け出してあった。父なき後は叔父を父と思えというこの時代の習わしによっても、外記の頭をもっとも強くおさえる力をもっている人は、この吉田の叔父よりほかになかった。思いあまったお時は念のために吉田に一度逢って、その料簡をきいて置こうと思ったのである。
奥様に恐る恐る目通りを願ったのであるが、ちょうど非番で屋敷に居合せた主人の五郎三郎はこころよく逢ってくれた。
お時の主思いは五郎三郎もかねて知っているので、打ち明けていろいろの内輪話をしてくれた。今となっては仕方がない。それもおれが監督不行届きからで、お前たちにも面目ないと五郎三郎はしみじみと言った。しかし本人の性根さえ入れ替われば再び世に出る望みがないでもない。今度の不首尾に懲りて彼がきっと謹慎するようになれば、毒がかえって薬になるかも知れない。