후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
彼女が今夜ここへ呼ばれて来たのも幾分か浮いた心も伴っていないでもなかった。どうで林之助とは添い通せる仲ではない。殊に男は不二屋のお里の方へとかく引き付けられるようになっている。自分だけが人知れずに苦労しているよりは、ちっとは面白く浮かれて見るもいいと、自棄も手伝った気まぐれから、今夜すなおにお花に誘い出されたのであった。しかし来てみると、やはり面白くないことが多かった。
第一には、この家の女中たちの素振りが面白くなかった。かれらは自分の素姓を薄々知っているらしく、口へ出してこそ何とも言わないが、蛇つかいの女をさげすむような、忌み嫌うような気色をありありと見せていた。自分の商売の立派なものでないことは、お絹自身もむろん承知しているので、彼女も人にむかって、おのれの身分を誇ろうとは思っていなかった。しかし、かれらからさげすむような素振りを眼のあたりに見せつけられると、お絹は堪忍ができなかった。かれらとても大名高家のお姫さまではない。多寡が茶屋小屋の女中ではないか。その女中風情に卑しめられるのは如何にも口惜しいと、彼女の癇癪はむらむらと起った。
それから更に面白くないのは千次郎の態度であった。