후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
お絹は小さい土器に神酒徳利のしずくをそそいで、その口さきへ押しやると、蛇は蜜をなめるように旨そうになめ尽くした。お絹は更に自分の手のひらに米をのせて出すと、蛇はさとい眼で左右を見まわしながら、ひと粒も残さずにのみ込んでしまった。
「お前、あたしを忘れちゃいけないよ。もういいからお帰り」
お絹に頭を撫でられて、蛇はおとなしく首を引っ込めた。彼女が再び箱をたたくと、待ちかねていたように第二の青い蛇が穴から首を出した。お絹はかれにも神酒と米をあたえた。そうして、同じようにあたしを忘れるなと言って聞かせた。かれが穴に隠れると更に第三の青い蛇が頭をあらわして、これもお絹の手から神酒と米とを授けられて、嬉しそうに首を垂れていた。彼女はその蛇の首をつかんで穴からずるずるとひき出すと、蛇は二つに裂けた紅い舌を火焔のようにへらへらと吐き出しながら、お絹の痩せた手首へたわむれるように絡みついた。
銚子出るときゃ涙で出たが……
小声で唄いながら、お絹は片手で膝をたたいて拍子を取ると、蛇はなめらかな膚に菱形の尖った鱗を立てて、まぶたのない眼を眠るようにとじた。しかしかれはいつまでも安らけくその音楽を聞いていることを許されなかった。