후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
「八橋はもうおれの物ときまった」
それに付けても、彼は八橋を欺いているのが気にかかった。いっそこれから廓へ引っ返して、自分が今の境遇をあからさまに打明けようかとも思ったが、彼はやはり臆病であった。いよいよどん底へ落ちるまでは、あくまでも嘘をつき通していたかった。その三月が来たらどうする。その三月が来るまでに、ふところの金がもう尽きてしまったらどうする。次郎左衛門は努めてそんなことを考えまいとしていた。
栄之丞を弱いやつだと笑ったおれも、やっぱり弱い奴であった。栄之丞を卑怯な奴だと罵ったおれも、やっぱり卑怯者であった。そう思いながらも、彼は自分を自分でどうすることも出来なかった。歯がゆいような、情けないような、辛いような、こぐらかった思いに責められて、彼は一人でいらいらしていた。
次郎左衛門はその後も八橋のところに入りびたっていた。暮れから春の七草までに彼は四百両あまりの金を振り撒いてしまった。どこまでも佐野のお大尽で押し通そうという見得が手伝って、彼はむやみに金をつかった。自分の内幕を八橋に覚られまいという懸念から、彼はいつもよりも金づかいをあらくして見せた。