후리가나로 읽는 일본 고전
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かごつるべ
江戸情話集
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 江戸情話集(かごつるべ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 203,779자 · 407화면
兄の袖にしょんぼりと寄り添って、肩をすくめて泣きながら歩いて行くお光のすがたが、兄の眼にはいじらしく見えてならなかった。雪を吹き付ける田圃の風を突っ切って、二人は真っ白になって橋場の寮にたどり着いた。
主人の方でもお光の遅いのを心配しているところであった。お内儀さんは穏やかな人で、殊に新参ながらお光を可愛がっているので、その話を聴いて一旦は驚いたが、別にお光を咎めようともしなかった。
「それでも怪我がなくってよかった。なに、あの金が今要るという訳でもないんだから心配するには及びません。阿兄さんもわざわざ御苦労さまでございました」
この返事を聴いた栄之丞もほっとした。お光は嬉し泣きにまた泣いた。
「御主人のお慈悲を仇やおろそかに思ってはならないぞ。この上の御恩返しにはせいぜい気をつけて御奉公をしろよ」
主人の前で妹にくれぐれもこう言い聞かせて、栄之丞は早々に帰った。こんなことで堀田原へ廻るのが非常に遅くなった。殊に雪はまだ降りやまないので、彼がようようそこへ行き着いた頃には、家の遠い弟子などはもう帰ってしまっていた。栄之丞はここでも主人にむかって遅刻の詫びをしなければならなかった。