후리가나로 읽는 일본 고전
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うみべしょうきょく(せんきゅうひゃくにじゅうさんねんにがつ――)
海辺小曲(一九二三年二月――)
宮本 百合子
宮本 百合子의 海辺小曲(一九二三年二月――)(うみべしょうきょく(せんきゅうひゃくにじゅうさんねんにがつ――))을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 1,617자 · 4화면
海辺の五時
夕暮が 静かに迫る海辺の 五時
白木の 質素な窓わくが
室内に燦く電燈と
かわたれの銀色に隈どられて
不思議にも繊細な直線に見える。
黝みそめた若松の梢に
ひそやかな濤のとどろきが通いもしよう。
午後五時
いまだ淡雪の消えかねた砂丘の此方
部屋を借りる私の窓辺には
錯綜する夜と昼との影の裡に
伊太利亜焼の花壺
タランテラを打つ古代女神模様の上に
伝説のナーシサスは
純白の花弁を西風にそよがせ
ほのかに わが幻想を誘う。
新らしい私の部屋
新らしい六畳の小部屋
わたしの部屋
正面には
清らかな硝子の出窓をこえて初春の陽に揺れる
松の梢や、小さな鑓飾りをつけた赤屋根の斜面が見える。
左手には、一間の廊下。
朝日をうけ、軽らかな息を吸いつつ
此処に立って髪を結ぶ私の嬉しさ。
机に居ても 空は見え
畳に座しても
大どかな海の円みと
砂のかおりが
頬のあたりに そっと忍びよって来る
ああ、
新しい部屋のうち
新らしい人生へのときめきを覚えて
見えない神に笑みかける私の悦びを
誰に伝えよう。
夜の来た硝子の窓には
背に燈火を負う私の姿が
万年筆の金冠のみを燦然と閃かせ
未生の夢に包まれたように
くろく 静かに 写って居る。