일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

宮本 百合子의 渋谷家の始祖(しぶやけのしそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,023자 · 133화면

아오조라 문고

に持っていた。彼に、水を掛けてやるものもなければ、雑草と燕麦との区別をすら、教えてやる者がいなかった。

ただ、保護である。真向からの抱擁が、豊饒な肥料を注ぎ込むばかりである。従って、正隆は、一つも選択されない、あらゆる性癖の芽をぞっくりと生え茂らせたまま、野放しの未耕地として、自身の心を抱いていたのである。けれども、総ての点に、安穏な、平調な生活を続けて来た正隆は、見えない種々の、運命的な欠陥を、そっと、相当な才能と美貌との下に沈ませて青年になった。

母未亡人の注意によって、生れて一年経つと別家して、渋谷家の姓を継いだ正隆は、人々の一生に、或る場合には大きな損失さえも与える徴兵からも、完全に解放されて、明るい将来の中に、誰でもが持つ、社会的野心を漂わせながら、当時は、素晴らしいものに思われていた、学士という肩書を、担おうとしたのである。

少年時代から、自分の容貌と、才能とに自信を持っている上に、亡くなった父親や、伯父ほど年の違う長兄の占めている地位等を、我知らず目算の裡に置いている正隆は、彼の前途に、一面からいえば、自惚(うぬぼれ)以上の光明を持っていた。