일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しぶやけのしそ

渋谷家の始祖

宮本 百合子

宮本 百合子의 渋谷家の始祖(しぶやけのしそ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 68,023자 · 133화면

아오조라 문고

普通の青年が期待するより以上の名誉なり、栄達なりが、つい手近な処に、彼を迎えて、腕を拡げているような心持がしていたのである。が、然し、その名誉なり、栄達なりという、輝やいた彼方と、今、四角い制帽を戴いた自分との間は、ぼんやりと霧の中に消え去っている。道程は、どんな風なものだか、それさえも思考の材料とはなって来ない。正隆にとって、当時多くの青年が叫んだような、意志の強固な勤勉などということは、恐るべき蕪雑さを以て現われた。

蒼白い、濃い髪の毛の所有者である正隆は、繊(ほそ)い腕を形よく組合わせたまま、貴族的な冷笑と物懶(ものう)さとを合わせて、真正面から、世間へぶつかって行こうとする朋友達を、眺めやったのである。

それ故、正隆は、間近に横わる卒業後の生活方針等に就いては、何も纏(まとま)った計画は持っていなかった。ただ、自分だけの才能があれば、誰かそれを発見して、また無い者に尊敬してくれるだろう、尊敬するに違いないという、希望とも臆測とも付かないものが、漠然と、然し、濃厚に、彼の細い胸を満していたのである。亡父の遺産で、当面の生活のために努力しないで済む正隆は、自分の才を使って貰うために、どこへ頭などを下げるものか、と思っていた。