후리가나로 읽는 일본 고전
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はなかみろうにん
濞かみ浪人
吉川 英治
吉川 英治의 濞かみ浪人(はなかみろうにん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,425자 · 39화면
春待つ家
厚着をしていたのと、酔っていた所なので、彼は少からず面喰らった。然し、水には達者なので、すぐ大小を片手で束にして抱え、片手で袴の紐や帯を解きながら泳ぎ出したが、その間に、猪牙舟はもう遠く去っている。
近くに、素知らぬ顔して、屋形船は雪見をしていた。船障子を細目にあけて、
『見ろ、あの田舎者が、飲みつけぬ酒を喰らったので、まだあぶあぶやっている』
『いい手際だった』
『あははは、今夜あたりは定めし冷たかろうなあ』
狭い屋形船の中に、灯は華やいでいた。酒もある妓もある。そして客は五人程の旗本で、直参でない者は、その中に小山田庄左衛門一人だけだった。
『雄之助様、これでもういつかの晩の、御鬱憤は晴れたでしょうな。同時に、それがしが決してあなたを裏切っていない証拠も見て戴いたと思います』
その庄左衛門が、杯を洗って、旗本の中の一人へ酌すと、美服につつまれた色の小白い織田雄之助は、
『いやいや、すっかり胸が晴れたと迄はゆかぬ。もひとつ、晴れねばならぬものがあるぞ』
と、次男坊らしい物云いで、左右にかぶりを振って見せた。
春待つ家
数右衛門はもうあの事を口にはしなくなった、小山田家へもそう行かない、大いに慎んでいるわけだった。