후리가나로 읽는 일본 고전
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ぼくとうきだん
濹東綺譚
永井 荷風
永井 荷風의 濹東綺譚(ぼくとうきだん)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 57,666자 · 114화면
灯影が水溜の面に反映しているばかりである。わたくしはとにかくもう一度お雪をたずねて、旅行をするからとか何とか言って別れよう。其の方が鼬の道を切ったような事をするよりは、どうせ行かないものなら、お雪の方でも後々の心持がわるくないであろう。出来ることなら、真の事情を打明けてしまいたい。わたくしは散歩したいにも其処がない。尋ねたいと思う人は皆先に死んでしまった。風流絃歌の巷も今では音楽家と舞踊家との名を争う処で、年寄が茶を啜ってむかしを語る処ではない。わたくしは図らずも此のラビラントの一隅に於いて浮世半日の閑を偸む事を知った。そのつもりで邪魔でもあろうけれど折々遊びに来る時は快く上げてくれと、晩蒔ながら、わかるように説明したい……。わたくしは再び路地へ入ってお雪の家の窓に立寄った。
「さア、お上んなさい。」とお雪は来る筈の人が来たという心持を、其様子と調子とに現したが、いつものように下の茶の間には通さず、先に立って梯子を上るので、わたくしも様子を察して、
「親方が居るのか。」
「ええ。おかみさんも一緒……。」
「新奇のが来たね。」
「御飯焚のばアやも来たわ。」
「そうか。