후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
二人とも相手を馬鹿だとしか思えず、その馬鹿さ加減はどれだけ嗤っても嗤いつくせない虚無そのものだった。かれらは先ず鼻さきで、ふふんと嗤い、肩をゆすぶり太刀に手をかざしながら実に馬鹿馬鹿しいという顔つきで、同じ道路をゆききしながらたまにすれちがうこともあった。お互の心につきあててゆくような笑いが、つめたく、たまに漏らされることもあった。
宵雨はそれほど繁くはなかったが、或る夜は二人は同時に門の廂に身をよせていた。お互にはんたいの暗みに向いていて、骨にしみるような雨の音を侘しく聞き入りながら次第に何か話したいような妙な経験したことのない状態にいた。それほど、雨の音が痛ましくさわってくるようだった。
「もう幾月になるかの。」
津の国の若者が突然、くらやみに字をこぼすように、よこも、向かずに話しかけた。
「さよう、ご自分でかぞえて見るのが早うござろう。」
和泉の国人の声は待ちかまえていたように、津の国人の言葉のうえに乗りかかって挑んだ。
「御辺、ひとつかぞえてくれまいか。」
「黙らっしゃい、話もしたくない。」
「そうか、話もしたくないか。」
津の国人の声は怒りをおし耐えた、無理をした声だった。