후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
筒井はいつでも、そんなふうに申し出ることですぐれているものを持っていた。
「一人がこの家にのこることは心辛いものがある。それはいい考えだ。」
「そして渡舟までご一緒にまいりましょう。」
津の川の渡舟は東と西にわかれていて、東にのぼれば都への渡舟だった。流れを下れば土地がかりの官人の村に着くよう、渡舟はしかも同じ時刻に出るはずであった。
彼はなにかなしその企の思いつきに笑った。一抹のにぎやかさがどういう困苦のなかにいても、いつも笑いを見せる筒井らしい終の美をとどめるに似ていた。しかも、そんな筒井の考えにはこの家を売るのに都合のよい立退の仕儀にもなり、道中衣裳の費用にも役立つのであった。彼はそこまで考えることが出来ず、うまく暗示した筒井のいかにも自然らしく、品の高い、言葉の意味がやっと分るほどだった。
津の国に来たときも渡舟であった。まだ子供だった彼は渡舟のへりにいて青ぐろい水の底を見て怖がった。しかも筒井を迎えに行った春の渡舟に、つやのいい御車の牛が一頭乗せられ、ゆっくりと船頭は櫓をこぎながら、皆さん大声を出さないでくれ、牛が喫驚すると川にはまるから頼みますぞと呶鳴った。