후리가나로 읽는 일본 고전
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おぎふくうた
犀星王朝小品集
室生 犀星
室生 犀星의 犀星王朝小品集(おぎふくうた)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 105,794자 · 211화면
男は驚いて筒井の顔をみた。
「ございました。」
「どこに。」
「只今持ってまいります。」
彼女が立って行ったところは雛のしまわれてある箱をつんだ戸棚だった。そこにある幾つもの箱のなかの別な小箱をかかえ、筒井は夫の前に置き、鋏を用意してふたたび、箱の前に坐った。不思議そうに見ている夫の前に箱から取り出したのは、五つの袋からなる美しいきれで縫ったお手玉だった。
「ほら、小豆にございます。」
袋の糸目をとくと、なかから美しい紅のつやを持ち、芽割れに白い縫糸を見せた小豆が一杯につまっていた。雛の日の娘らのあそぶお手玉だった。
「これは有難い」
男は驚いてこれに気のついた筒井の智慧に、いまさら眼を見はる気持だった。五つの袋を解いてしまった時に、盆の上には夥しい小豆が一杯にあふれていた。しかも去秋の小豆は一粒として傷んでいず、去秋の美事な近年にない豊作のあらわれが、この小豆にさえ見られた。
「これで赤のご飯が出来ました。」
彼女のよろこびは彼女をなみだぐませたほど、真剣なものだった。こんな遊びに縫ったものに、祝いのものが炊かれようとは、誰も知らなかった。ただ筒井の叡智だけがそれを教えたのだ。