후리가나로 읽는 일본 고전
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たざきそううんとそのこ
田崎草雲とその子
吉川 英治
吉川 英治의 田崎草雲とその子(たざきそううんとそのこ)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 19,568자 · 40화면
と、よく語りもしたといえば、これは伝説でなくて、事実に違いない。私も信じる。
だが、私の信じるのは、夢でなくます女の母性愛である。良人を思い直させた彼女の尊い機智に涙ぐまれるのである。鼠屋の前から、黄王散を買わずに、愛の機智を拾って帰ってきた彼女の姿を想い、母胎を想い、そこに宿る無形の白石子を想い、ひいては又、松井家から草雲に嫁いだ菊女、その仲に生した格太郎、――と、こう考えてくる時、人間の連鎖、連環のつくるふかい一線が人生をつき抜いているように感じられる。
生れた草雲は、ひどい腕白者だった。田崎の腕白は、小川町の藩邸に鼻抓みにされた。組長屋の空地で腕白は、よくモチ竿をもって、蜻蛉を追ンまわす。同役の婆さんにやかまし屋があって、しょッ中呶鳴られていたが、或時、長屋の隅にある共用の便所の前にかかると、その老女が、用をたしに入ったのを見た。
やがて、きゃッ、という悲鳴が、厠の中で起った。雪隠の隙間からモチ竿で、老女の隠しどころを、モチでさした者がある。心もなえて、絶叫したが、老女も、武家者であるから、気づよく、モチ竿をヘシ折って、腕白を追いかけた。
老女のせがれが、出てくる、腕白の親が謝罪にゆく、手討にするの、しないので長屋中の騒動になった事もある。