후리가나로 읽는 일본 고전
ja-reading.com
후리가나가 있는 일본 고전을 온라인으로 읽으세요. JLPT 수준으로 골라 보고, 단어를 눌러 뜻을 확인하고, 문장을 번역하세요.
ばんちょうさらやしき
番町皿屋敷
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,494자 · 67화면
この頃の長い日はなかなか暮れなかった。一旦出たが最後、なん時戻って来るか判らないのがいつもの癖と知っていながら、お菊は今日に限って主人の戻りが待ち侘びしく思われた。彼女は今度の縁談に対する主人の確かな料簡を知りたかった。
世間からいえば、主人の播磨は手に負えない暴れ者であるかも知れない。伯母からいえば喧嘩好きの厄介者であるかも知れない。しかもお菊の眼から見れば、それが如何にもまことの男らしい竹を割ったように真直ぐな、微塵も詐りや飾りのない、侍の中の侍ともいいたいように美しく尊く思われた。男が七百石のあるじであるとないとを別問題にして、彼女は一旦自分の魂に浸みついたこの恋を生涯かき消そうとは思っていなかった。彼女は詐りのない主人の約束を一図に信じていた。殿様は自分を欺く人でないと固く信じていた。
お菊は今もそう信じている。しかも彼女の心の底に暗い影を投げかけるのは、銘々の身分という悲しいむごい人間の掟であった。いつの代にもこの掟が色々の形になって現われて来るが、取分けて彼女の生れた江戸時代にはこの掟がきびしかった。主人は家来を嬲り殺しにしても仔細はない。