후리가나로 읽는 일본 고전
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ばんちょうさらやしき
番町皿屋敷
岡本 綺堂
岡本 綺堂의 番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 33,494자 · 67화면
青山播磨は詐りのない男である。自分は唯一心にその男の手に取縋っていればいいのである。もう何にも思うまい。とやかくと迷うのは自分の浅墓であると、お菊は努めて自分の疑いを払い退けようとした。
お仙は自分の夏衣の縫い直しにかかっていたが、日永の針仕事に彼女も倦んで来たらしい、針先も見えないようなだるい眼をして、うっとりと手を休めていた。市ガ谷の七つ(午後四時)の鐘も眠そうに沈んで聞えた。お菊はやがてお仙のそばを離れて静かに起った。
主人の留守を承知していながら、彼女はその居間の方へふらふらと行って見たくなった。用人の詰めている部屋を覗くと、十太夫も小さい机に倚りかかって、半分は眠ったように白髪頭をかしげていた。お菊はぬき足をしてそこを通り過ぎて、主人の居間の縁先に立つと、軒の大きい桜もきのうにくらべると白い影が俄かに瘠せていた。彼女はさびしくそれを瞰あげていると、もう西へ廻りかかった日の光は次第に弱くなって、夕暮を誘い出すような薄寒い風にふるえる花びらが音もなしに落ちた。その冷たい花の匂いがお菊の身に沁みると、彼女はまたおのずと涙ぐまれた。
その眼をそっと拭きながら、翻える花のゆくえをじっと見送ると、小さい吹雪は迷うように軽くなびいて、庭の井筒の上に吹き寄せられた。