후리가나로 읽는 일본 고전
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ちじんのあい
痴人の愛
谷崎 潤一郎
谷崎 潤一郎의 痴人の愛(ちじんのあい)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 179,399자 · 353화면
それもうるさくて厭だと思えば、パンに牛乳にジャムでごまかしたり、西洋菓子を摘まんで置いたり、晩飯などはそばやうどんで間に合わせたり、少し御馳走が欲しい時には二人で近所の洋食屋まで出かけて行きます。
「譲治さん、今日はビフテキをたべさせてよ」
などと彼女は、よくそんなことを云ったものです。
朝飯を済ませると、私はナオミを独り残して会社へ出かけます。彼女は午前中は花壇の草花をいじくったりして、午後になるとからッぽの家に錠をおろして、英語と音楽の稽古に行きました。英語は寧ろ始めから西洋人に就いた方がよかろうと云うので、目黒に住んでいる亜米利加人の老嬢のミス・ハリソンと云う人の所へ、一日置きに会話とリーダーを習いに行って、足りないところは私が家でときどき浚ってやることにしました。音楽の方は、これは全く私にはどうしたらいいか分りませんでしたが、二三年前に上野の音楽学校を卒業した或る婦人が、自分の家でピアノと声楽を教えると云う話を聞き、この方は毎日芝の伊皿子まで一時間ずつ授業を受けに行くのでした。ナオミは銘仙の着物の上に紺のカシミヤの袴をつけ、黒い靴下に可愛い小さな半靴を穿き、すっかり女学生になりすまして、自分の理想がようようかなった嬉しさに胸をときめかせながら、せっせと通いました。