후리가나로 읽는 일본 고전
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しろくれない
白くれない
夢野 久作
夢野 久作의 白くれない(しろくれない)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 24,846자 · 50화면
如何にや。わが眼識。誤りたるにやと嘲笑ひて、威丈高にわれを見下したる眼光、鬼神も縮み上る可き勢なり。
されども、われ些しも驚きたる頗色をあらはさず。莞爾として笑み返しつ。如何にも驚き入つたる御眼力。多分お上より触れまはされし人相書を御覧じたるものなるべし。半面の鬼相包むべくもあらず。如何にも吾こそは片面鬼三郎と呼ばるゝ日本一の無調法者に候。さりながら、われ長崎に居りたる甲斐に、唐人の秘法を習ひ覚え、家相を見るに妙を得たり。すなはち此の寺の相を観るに、是れまことの天台宗の寺に非ず。本尊は聖母マリアにして羅漢は皆十二使徒なり。美しき稚児を養ひて天使に擬ふる御辺の御容体は羅馬加特里克か、善主以登か。いづれにしても禁断の邪教、切支丹婆天蓮の輩に相違あるまじと云ひ放つ。その言葉の終らぬうちに和尚の血相忽然として一変し、一間ばかり飛び退りて、懐中に手を入れしと見る間に、金象眼したる種子島の懐中鉄砲を取出し、わが胸のあたりに狙ひを付くる。しかも眼を定めてよく見れば、長崎にて噂にのみ聞きし南蛮新渡来の燧器械付、二聯筒なり。使ひ狃れたる和尚の物腰、体の構へ、寸毫の逃るゝ隙も見えざりけり。