일본어 읽기 연습

후리가나로 읽는 일본 고전

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しろあり

白蟻

小栗 虫太郎

小栗 虫太郎의 白蟻(しろあり)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.

N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 54,099자 · 106화면

아오조라 문고

序

序

かようなことを、作者として、口にすべきではないであろうが、自分が書いた幾つかのなかでも、やはり好きなものと、嫌いなものとの別が、あるのは否まれぬと思う。わけても、この「白蟻」は、巧拙はともかく、私としては、愛惜措く能わざる一つなのである。私は、こうした形式の小説を、まず、何よりも先に書きたかったのである。私小説――それを一人の女の、脳髄の中にもみ込んでしまったことは、ちょっと気取らせてもらうと、かねがね夢みていた、野心の一つだったとも云えるだろう。

のみならず、この一篇で、私は独逸歌謡曲特有の、あの親しみ深い低音に触れ得たことと思う。それゆえ私が、どんなにか、探偵小説的な詭計を作り、またどんなにか、怒号したにしても、あの音色だけは、けっして殺害されることはないと信じている。ただ惜しむらくは、音域が余りに高かったようにも思われるし、終末近くになって、結尾の反響が、呟くがごとく聴えてくる――といったような見事な和声法は、作者自身動悸を感じながら、ついになし得なかったのである。

私は、この一篇を、着想といい譜本に意識しながら、書き続けたものだが、前半は昨年の十二月十六日に完成し、後半には、それから十日余りも費やさねばならなかった。