후리가나로 읽는 일본 고전
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わたしのこうりしょうどう
私の小売商道
相馬 愛蔵
相馬 愛蔵의 私の小売商道(わたしのこうりしょうどう)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 160,396자 · 312화면
大商店に奉公せんよりは小さき店を選べ
である。そして彼は得意先一軒ものこさず毎日御用伺いに行くのであった。自分はこれを見て御用伺いを隔日にすればよほど手数が省けて好都合であろうと思ったことであったが、彼の得意筋は石油五合一升と買いおきの出来る余裕のある家ではなく、その日暮しの日雇稼ぎ人か工場通いの労働者などを相手の商売であったのだから、ぜひ毎日毎日時間を決めて廻わり、夜の間に合わすのでなければ不便を与える。そうして便宜をはかるのでなければ得意を失う。それゆえ毎日かけ廻って御用をきくということであった。はじめ彼が資本として残しておいた二十円の金には死すとも手はつけまいと決心してこれを実行した。その覚悟と精励刻苦、ついには彼は志を貫いたのである。自分はこの油屋に敬服し、その経験談はいつも我が弱き心を刺激し発奮せしめるのである。かくの如く我が好模範は大厦高楼に枕を高くしている大事業家ではなく、心なき人の足下に蹂躙せらるる野末の花に等しい名もなき小売人の中にこそ我が学ぶべき師はあるものと信ずる。
大商店に奉公せんよりは小さき店を選べ
我邦屈指の大商店の番頭は、その店へ通勤するのに人力車をもって送迎されたと聞いているが、この人独立で同業を開店し、大いに日頃の敏腕を自分の商店において縦横に振わんとしたが、開業後間もなく閉店することになった。