후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 116,638자 · 233화면
――師直の馬はしばしば物驚きをしてあと退去った。――「途中、お迎えの者どもでござる」「お送りに加わり申す!」などと口々に列の横から割り込んで来た鳶色一揆の騎馬隊があり、それらの者が立ちふさがって、尊氏と師直とのあいだをいつか十数町も隔ててしまった。
すると土手の片側から、徒士の中間者がふたり這い上って来て、やにわに槍をつきつけ、
「顔を隠してゆく奴は誰だ」
と、言った。いや、すぐもう一人の方は、
「笠をとれ。とらんか」
と、槍の石突きを逆に上げてぱっと蓮の葉笠を下から払った。笠は飛んで、頭巾だけのまるい頭がのけ反った。
「執事だ」
二人がともに叫ぶと、師直のうしろへ馬を寄せていた彼らの主人三浦左衛門が、
「やはり執事か」
と、長刀の振幅いッぱい師直を斜に薙ぎ上げた。が、それは顎をかすめ、師直は馬と共に刎ね躍ッて次の刹那に肩から胸へ長刀の光を咥え込むやいな絶叫を吐いて落馬していた。
「あら、うれし」
三浦は首を掻ッ切って、長刀のさきにつき刺し、大声で後ろの仲間へ触れ廻って行った。仲間はほかにも多かったのである。さきに越後で殺された上杉重能の子、上杉能憲の部下と、畠山直宗の遺臣たちであったのだ。