후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
家柄こそは、正しい源家の裔といえますが」
「いや先年、淀の川舟でちらと見たが、どこか茫漠としたあの面つき、また、捨て難い」
「拙者の眼とは、えらく違いますなあ、伊吹の夜では、酒の上とは申せ、お抱えの田楽女に手をつけるなど、イヤもう他愛もない阿呆ぶり。そんな者に、秘事の端でも洩らしたのは、一期の不覚と、道誉も拙者も臍を噛み、せめて彼奴に二年の禁足でも食らわせておけばと、後より手を打ったような仕儀でおざった。……それを捨て難いものとの仰せは」
ここでの、二人の私語は、いまや、酣な無礼講騒ぎの面々には、眼ざわりであったらしい。
「やよ蔵人。其許も何か歌え」
「土岐もこれへ来て、美濃踊りでもしてみせんか」
それを機に、二人とも、
「罷らん、罷らん」
と、杯を持ったまま座を宴席の中ほどへ移してゆこうと起ちかけたときである。
またしても、河原にいる見張の者から、
「ちと、お静かに」
という注意があった。
昼、怪しげ男を捕り逃がしたこともある上、いつになく今夜にかぎって、得態のしれぬ人影が、近くをうろついている気配ゆえ、御用心あって欲しい、という見張からの伝言だった。
一同、酔も索然と、興ざめ顔に白けたのはいうまでもない。