후리가나로 읽는 일본 고전
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しほんたいへいき
私本太平記(一)
吉川 英治
吉川 英治의 私本太平記(一)(しほんたいへいき)을 후리가나와 함께 일본어로 읽으세요. JLPT N2. 단어를 누르면 뜻이 나옵니다.
N2 · 고급 · 신자체·신가나 · 246,214자 · 495화면
――オオ、――道誉も外で欠伸を催していよう。直義、あとの諸事をたのんだぞ」
高氏は床几を起った。
幕舎の隅へ眼をやって、そこのよろい櫃、衣裳箱などの前に立ち、大鎧を解いて、腹巻、陣座羽織の軽装にあらためている。――直義はもう黙って、兄の着がえを、後ろから手つだった。
「行って来る」
すぐ、陣幕を巡って大股に外へ出て行く。そして、さっきから馬上のままで待っていた佐々木道誉へ、
「やあ、お待たせした」
と、声をかけた。その高氏には全然なんのこだわりも見えない。共に、鞍上の人となり、手綱をならべて、はや行きかける。
直義は、ぜひなげだったが、道誉へも聞えよがしに、わざと、その背へ向って、
「兄上っ――」
と、もいちど呼んだ。
「お後からすぐ、人見新助、御厨ノ伝次、佐野十郎など、いつものお供輩をつかわしまする。御帰邸もなるべく、夜に入らぬうちに。そして、御酒も余りにはお過ごし下さいますな。供の家来どもが、泣きますから」
道誉の“積良ノ別亭”とは、彼がしばしば近江から鎌倉入りする前日の支度屋敷あるいは休息屋敷ともいうべきものだが、何事にも凝り性な彼、丘の景勝に倚って、富士の眺めを取りいれ、やはり数寄をこらしたもの。